修了生の声

                        

                    黒瀬 桂子

 

 

 現在広島大学の大学院で日本語教育について学んでいます。

 私はもともと外国語を勉強し、異なった文化や考え方を持つ人々と交流することが好きでした。大学卒業後は日本語教育とは関連のない職業につき、仕事の後にスペイン語を習っている時期がありました。そこでたびたび外国人の先生から日本語について質問を受けるようになりました。母国語である日本語をきちんと説明できないにもかかわらず、これまで長年外国語に目を向け続けていた自分に気付き、愕然。

 

 そして、昼は仕事、夜は養成講座に通うという日々が始まりました。養成講座と並行して地域のボランティア団体に所属し、教えることの喜び・難しさを体感しながら、講座でその難しさの原因・解決方法を学ぶという充実した時間が過ぎていきました。日本語や教育−言語や人と人との関わり−については、学ぶほどに奥が深く、知りたいことが次々と出てきます。仕事と講座の両立が難しく 1 年の休学期間もありましたが、 3 年かけて卒業し、同時に仕事に区切りをつけて大学院入学を志しました。
 大学院では第二言語習得研究を中心に学んでいます。大きなくくりの説明になりますが、学習者が第二言語である日本語をどのように習得していくのか(習得過程に影響を与えるものは何かなど)を考える研究です。学習者はどうしてこのような間違いをしてしまうのだろう・・・このような疑問を解決するため、母語やレベルなど様々な視点から学習者の発話データと向き合い、日々格闘しています。
 養成講座が私にスタート地点を与えてくださり、ボランティア、大学院と少しずつその幅を広げていくことができました。次はどこで何をしよう。今から(不安少々)期待に胸いっぱいで前進し続けたいと思っています。